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女医とも子の診察室

内科医。日々の気づき、生きること。自分の人生に取り組もう。

介護者として、これからどう関わっていったらいいですか? 「どうせ〜」をしないこと。

Twitterのメッセージで 

介護福祉士として障がい者支援に携わっておられる  

ある若者から質問がきました。 

 

 

今現在、介護福祉士として障害者支援に携わっております。介護福祉士は、もともと高齢者介護のために作られたものなのですが、人手不足が現状にあり障害者分野でのお仕事もあるので、私は障害者分野で働いております。 

 

私は高齢者(利用者)に対してまずはラポール形成(ラポール:互いに信頼し合い、安心して交流を行うことができる関係ができている状態のこと)をはかることが重要であると考えております。 何故ならば、高齢者(利用者)に対してラポール形成が出来ていなければ、その高齢者(利用者)にあった介護過程の展開がされずに、高齢者(利用者)の生活不活発やADLを低下させてしまう可能性が出て来るからです。  

 

自分自身の心のリフレッシュも大切にしています。 なぜなら寄り添う介護者が高齢者(利用者)の徘徊や暴走といった行動により、虐待者になってしまう可能性があるので。    

 

心が十分に通じ合っている状態にすることは中々難しいことだと考えますので、何かの利用者さんのサインを見逃さないためにも、信頼関係(心の距離)を縮めていければ、少しでもより良い介護をさせて頂けることが出来るのではないかと考えております。これから更に、介護者としての質を向上させるためには、どのように考えていったらいいでしょうか? 

 

 

素晴らしい青年ですね。 
 
私は、老人介護施設、グループホームなどにも往診に定期的に通っていたので  

現場のスタッフの方々の仕事っぷりは拝見していましたが、一人一人がどう考えているのかな?ということまで、深く聞いたことがなかったので、このような考えを持ってる介護士さんがいるというのは、心強いですね。 

 

 

質問に対してですが、私もほぼ高齢者の外来診察なのでとても良くわかります。 

 

高齢の患者さんには、お子さん(といっても60代とか)が付き添っていらっしゃいますが、どんなに認知症がある方であっても「自分は親」「今まで生きてきたんだ」という自尊心があるのだ、ということです。  

 

 

ですから、診察室でも決して赤ちゃんことばを使わない(認知症だと急に赤ちゃん扱いをする医療者が多いです)、一人の大人の人としてお話し、診察をしてきました。 

たとえ、それが相手に伝わってるのかどうか、わからなくとも、雰囲気ですべて患者さんには伝わっているからです。 

 

 

認知症だから、難聴だから、障がい者だから 

どうせ分からないでしょ。 

どうせできないでしょ。 

どうせ選べないでしょ。  

 

この態度こそが、医療者、介護者が一番してはいけないことだと私は思っています。 

 

 

 

数日前にたまたま、このような記事を見かけました。 

  

「風変わりな老人」と呼ばれる彼が老人施設で亡くなった時、彼の部屋が空き部屋となり、整理している時のことでした。看護師のひとりがこの手紙を発見したのです。

 

 

看護婦さん、何が見えますか?

私を見る時、あなたは何を考えていますか?

風変わりで愚かな老人。

行動も読めず遠い目で?

食べ物をこぼし何も答えもしない。

大声で「自分でしたら?」というあなた。

でも、私は気づいていない様子。

靴下や靴がいつもなくなる?

いつも抵抗し意に沿わない。

お風呂も食事もある長い一日だっていうのに?

何を考えます?何が見えますか?

目を開けて見て下さい。あなたは見てないでしょう。

私はここにじっと座って誰なのかあなたに話します。

命令を聞きながら、食べさせられながら。 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 

 

 

体は砕け、優雅さと活力を失い、かつて心臓があった場所に石があります。

でも、この老いた体の中には青年の心が宿ります。

そして時々、私のボロボロの心臓が膨れ上がります。

私は喜び、痛みを覚えています。

愛することと生きることを再び体験します。

私は人生を振り返ると、あまりに早くて短くて、、、

永遠が無いという厳しい事実を受け入れなければなりません。

だから、あなたたちは目を見開き見て下さい!

風変わりな老人ではない。

見て下さい私を!

 

これこそが、リアルな高齢者の方、他人のお世話にならざるを得ない者の心の叫びだと思います。  

 

ですから、高齢者を含めた介護が必要となった方と接する方はすべては 

「相手は、ここまで必死に生きてこられた一人のひとである」ということをもう一度しっかりと肝に銘じ、その方のバックグラウンドまで含めた歴史まで思い馳せることができたら、本当に相手に寄り添った医療、介護ができるのではないかと思います。  

 

 

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私は介護の技術的な面は学びが浅いため、アドバイスができませんので、心持ちについて答えさせていただきました。 

 

 

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