女医とも子の診察室

内科医。日々の気づき、生きること。自分の人生に取り組もう。

" 欠乏感 " のループ

外来に、70歳代のある女性が受診されました。

 

昨年秋に手関節を手術してから、

 
「なんにも思い通りにならない」
 
「調子がでない」
 
「だるい、味がしない」  
 
「眠れない」
 
そういう症状が出ていて 
 
この数ヶ月のあいだ、
 
ずっと悩んでいます。 
 
 
 
家族はもちろん、
 
医師達も傾聴し、
 
投薬はしているのですが、 
 
改善してきているものの、
 
本人は、まだまだ辛い状態でした。 
 

 

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欠乏感はどこからやってくる? 
 
 
ゆっくりと傾聴してみました。  
 
すると、悩みの根底は、
 
「今まで家事、特に料理をしっかりとやってきたのに、
 
それがちゃんとできなくなってしまった」ということでした。 
 
 
 
つまり、自分が今までやってきたことの中で、
 
「それをすることで、自分を認めてもらっていた」 
 
と思っていたことが思い通りにできなくなり、 
 
自分で自分を赦せなくなってしまっていたのです。 
 
 
 
「こうなりたい」「これがほしい」と思っていること。  
 
それが叶わないとき、あるいはできなくなったとき、

人は「欠乏感」を感じます。



この女性の場合は
 
「家事が完璧にこなせる主婦の自分」ですね。 
 
 それまでは自分で自分を
 
「理想の主婦像」を描き、
 
それを納得のいくカタチで
 
それなりにやってこれて、
 
それに満足していたわけです。 
 
 
 
ところが、歳をとる、ということは、 
 
年々体力、能力は低下しますし、
 
若い頃とは同じにはいきませんね。 
 
でも、それを皆目指して、
 
「できない自分」に苦しみます。  
 
「自我の欠乏感」ですね。
 
 
 
「なんにも思い通りにならない」
 
「調子がでない」
 
「だるい、味がしない」  
 
「眠れない」
  
という症状だけに注目していると、
 
いつまでたっても、
 
その「欠乏感」のループから
 
抜け出せないのです。  
 
 

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欠乏感のループから抜け出そう。
 
 

それでは、どうしたらその 
 
「欠乏感」のループから 
 
抜け出せると思いますか? 
 
 

それは、 
 
「当たり前だ」と思ってるものを
 
もう一度見直すことです。
 
 
 
「な~んだ、そんなことか。」と思ったあなた。 
 
いま、その手にあるもの、
 
その状況。
 
もう一回まじまじ眺めてください。
 
 
 
今ある状態。
 
周りにいてくれる人。
 
住んでる家、部屋。
 
買い物ができるお金。
 
着てる服。 
 
今までがんばってきてくれた身体。 
 
 


当たり前ですか?
 
当然の結果ですか?
 
自分の身体なんだから別に?
 
 
 
わたしは、
 
欠乏感で苛まれてるひとに
 
傲慢さを感じてしまうことがあります。
 
 
 
なぜなら、
 
「あって当たり前」
 
「そうなって当然」
 
そういう前提で
 
不調なところばかりみて、
 
ずっとそれを訴え続けるから。
 
 
 

どんなに欠乏感で、辛い時にも、
 
「当たり前じゃあ、なさそうだぞ。」
 
そう思えたら、
 
あとは勝手に欠乏感から
 
抜け出せるでしょう。
 
 

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まとめると
 
 
良い病院、先生、
 
そして最新の薬剤。 
 
そういうものでは、
 
心からの安らぎは得られません。 
 
 
 
目の前のこと、ものを
 
もっとまじまじとみてみましょ。
 
 
 
それでも見たくないものがあるなら
 
頭から外す。
 
それを見ない、考えない。
 
 
 
「これは、気がつかなかった!」という
 
しみじみとした、ありがたいことがあったら、
 
それを繰り返し感じてみる。
 
 
 
欠乏感っていうのは
 
「だれか、わたしのことを分かって」という
 
他者に対する気持ちのようで
 
実は、自分自身に対する声だったりするのです。
 
 
 
 
「いまの自分が最適だよね?」
 
って、確認したがってるのですよ。
 
 
 
最高でなくてもいいし、
 
自信なんてなくてもいいです。
 
誰も、責めてないし
 
誰も、見下したりしません。
 
 
 
でも、そう思ってしまったら
 
「上 上」って
 
深い湖の底から
 
沈んだ自分が
 
浮かぶように
 
イメージをする
 
ふしぎと、その場でスッキリするものです。
 
 
 
誰だって
 
「あ〜あ。足りてないな」って
 
思うときはあります。
 
いろんな場面で。
 
ですが、
 
 
 
そんなときは欠乏感で沈んだ自分に
 
浮き輪をつけてあげて
 
浮かべてあげましょう。
 
 
 
そうやって自分と付き合っていくことで、
 
少しずつ、少しずつ、
 
欠乏感は薄らいでいき、
 
満たされた気持ちでいられる時間が
 
必ず増えてくるはずです。
 
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