読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

女医とも子の診察室

内科医。日々の気づき、生きること。自分の人生に取り組もう。

どんなクスリでも治せないもの。

クスリじゃ治らないもの。

 

それは、「何のやる気も起こらない」

 

これを治すことです。

 

 

どうして「何のやる気も起こらなくなったのか?」っていうと、

 

自分のことをいじめ過ぎた結果だからです。

 

もう、いじめっ子にやられすぎて、

 

心が折れてしまったのですね。

 

そのいじめっ子っていうのは、

 

他でもない自分。

 
 

f:id:comuron47:20160215200023j:plain

 
自分で自分をいじめること。
 
 
 
今日、外来にやってきた60代女性。
 
「専業主婦。子どもと旦那と暮らしている。
 
何もする気が起こらない。
 
夜も一時間おきに目が覚めてしまう。」との訴え。
 
「やる気がでるクスリをくだい」と。
 
 
 
ここから、患者さんとの対話を書いてみます。
 
 
 
私 「無理に、何もしなくてもいいのでは?」
 
患者「でも、周りの家族の目が気になる。やらないでいることに、文句を言いたいので   はないか?と思ってしまって。
 
私 「じゃあ、どうしたいのですか?
 
患者「‥‥。何もしたくありません。
   
   旦那が定年になってから
 
   毎日在宅で、余計に精神的にひどくなっています」
   
   旦那が家にいて、それまで仕事で留守のあいだは、何もしないでいたのですが
 
   旦那がいると、何もしないのがいけないような、気がして」
 
私 「じゃあ、それを悪びれずにいることですよ」
 
患者 「う〜ん」
 
私  「自分がきちんとしていないことが、イヤで、
 
   罪悪感を持ってるのですよね?」
 
患者 「そうかもしれません」
 
私  「実際に、家族に聞いてみましたか?」
 
患者 「家族は、しなくていいと言ってくれてるんです。」
 
私  「じゃあ、やっぱりしたいことだけして、あとはしなくていいですよね?」
 
患者 「う〜ん。そうですね」
 
私  「起きてるあいだじゅう、自分で自分を槍でつつくようなことをしていたら、
 
    本当に病気になりますよ」
 
患者 「そうね、そうかもしれません」
 
私  「最近、笑ったことありますか?」
 
患者 「いいえ、ないですよ〜。(当然な風)」
 
私  「とにかく、馬鹿になって、笑うこと。
    自分を評価することをやめてください。」
 
 
 
患者 「痩せないといけないと思っていて」
 
私  「なぜですか?」
 
患者  「コレステロールが高いので、下げないと」
 
私  「でも、検査も半年以上、うけてらっしゃらないのに」
 
患者  「たしかに。でも、旦那が言うので、痩せろと」
 
私  「モデルにでも、今からなるんですか?」
 
患者  「いいえ!(と笑う)」
 
私  「じゃあ、まずはきちんと血液検査を受けてみて、  
    どの程度か把握をする。
 
    その結果、歩いたほうが良さそうなら、
    春に向けて歩いてみたらどうですか?」
 
患者 「そうですね。そうします。」と、和やかになりました。
 
 
 
結局、患者さんは不安を抑えるクスリを
 
もうしばらく飲みたいとのことでしたが、
 
クスリで不安は抑えられても、
 
やる気を出すことはできません。
 
 
 
どんなによいクスリでもクスリでできないことがもう一つあります。
 
 

f:id:comuron47:20160215200113j:plain

 
 
” 自分の好きに過ごすこと " に自己規制。
 
 
 
自分を自分でいじめていることに、気がつかないひとは多いです。
 
勝手に「周りでそう言ってる気がする」
 
「目線が痛い気がする」
 
そうやって、
 
「自分が好きに過ごすことに自主規制をしている」のです。
 
 
 
それは、どんなクスリを処方しても、治りません。
 
実際、この方は「抗不安薬」や「睡眠剤」も内服していますが、
 
「自分で自分をいじめること」をやめない限り、
 
「自分が好きに過ごすことに自己規制をしていること」はクスリでは抑えられません。
 
 
 
 
「自分が好きに家で過ごすことに自主規制」するというのは、
 
もしかしたら、
 
「他人からの評価を必要としている」ということなのかもしれませんね。
 
 
 
なにも、仕事や、給料、成功だけが他人からの評価ではなく、
 
家事、育児、そして生き様。
 
すべてにおいて、
 
他人から「評価してもらいたい」、
 
「受入れてもらいたい」という欲
 
存在するのかもしれません。
 
 
 
まずは、自分が他人からの評価や、
 
受容をすごく欲していることに気がつくこと。
 
そして、
 
「それは、自分が満足のいくほどに手に入れることは、ないのだ」
 
ということを、理解すること。
 
さらに、
 
「自分を評価せずに、自分を好きになることは、自分しかできないことなのだ」
 
ということを、受入れて実践していく。
 
それしか、穏やかに暮らす方法はないのではないか?と
 
わたしは思っています。
 

f:id:comuron47:20160215200145j:plain

 
 
 
自分で自分を好きになる。
 
 
若いひとだけが、悩むのではなく、
 
ひとは何歳になっても悩みます。
 
しかも、根本的にその悩みの原因は
 
同じところです。
 
 
 
” 自分が自分を好きになる "。
 
 
これなくしては、
 
ひとが満たされた気持ちで生きられることはないです。
 
逆もまたしかり。
 
自分が自分を好きなひとは、
 
少なくとも、誰からも評価もされなくとも、
 
たとえ、誰からも好かれなくとも、
 
自分は満たされた気持ちで生きています。
 
 
 
わたしたちは、
 
「わたし、自分のこと、好きだから」と言うことがなかなか、できません。
 
なぜなら、
 
「え〜、そんなレベルで自分のこと、好きなんだ!?」
 
他人に言われたくないから。
 
恥ずかしいことだと思っているのです。
 
 
 
わたしも、そういう想いをしたことがあります。
 
自分のことを、まんざらでもないな、と思ったときに
 
他人から小馬鹿にされた気がしたことがありました。
 
 
 
そして、他人目線に加えて、
 
「自分が好きになるように、今の自分とは違う
 
 何者かに向かって
 
 がんばっている方が楽だからです。」
 
 
 
そりゃ、そうですよね。
 
「わたし、まだまだ発展途上だから」って言うのは
 
とてもよい言い訳になります。
 
「わたし、こんなモンじゃないから」っていう
 
現実逃避です。
 
 
「いえいえ、あなたはいつだって、どんな瞬間もあなたですよ」なんて
 
神様に言われたって
 
認めたくないから、
 
自分のことをいつまでたっても
 
好きになれないのです。
 
 
 
 
でも、
 
” 自分のことが好きになるように "、
 
" 自分が好きなように過ごすこと "
 
今の仕事にする。
 
常に、今の仕事は
 
自分の好きなようにできるように
 
工夫をし、それに対して真剣に努力することです。
 
 
 
他人のために、なにかをして喜んでもらう。
 
愛してもらう。
 
認めてもらう。
 
こんなことを、いくらがんばったって、
 
自分のことが好きじゃないのなら、
 
ムダです。
 
先ほどの女性の患者さんのように、
 
抑圧ばかりが溜まり、
 
無気力な抜け殻の自分ができあがるだけです。
 
満るというのは自分で満るのです。
 
 
 
人生をかけた課題だと思って、
 
「自分のことを好きになる」は
 
真剣に取り組む価値のあることです。
 
 

f:id:comuron47:20160215200522j:plain

 
 
まとめると
 
 
ほとんどのひとのサイクルは、
 
まず、努力をする
 
▶︎他人に認めてもらったり、他人からの評価が得られたり、他人から愛されたがる
 
▶︎いくぶん、それが叶った(ように思えたら)
 
▶︎結果、自分のことが好きになれる、と信じている(けど、好きになることはない)
 
 
 
でも、そうじゃないです。
 
 
 
まず、自分のことを好きになる
 
▶︎自分が好きでいられるようなことを、工夫して真剣に取り組む
 
▶︎結果、そのひとが自然にできること、振る舞えることに対して、
 
 他人はそれをよろこんだり、そんな風にできるひとのことを魅力に思う。
 
 
 
真逆のサイクルにするのは、
 
本当に大変なことだと思います。
 
今日の外来でも患者さんと話しながら、
 
道のりは遠いな、と感じました。
 
だけど、それが本当のことなら、
 
生きてるあいだ、そのことに真剣に取り組むことは
 
何より大切なことだな、と
 
改めて確認しました。
 
 
「わたし、好きだよ、自分」と公言することありません。
 
こころの中でいつも思えたらそれで十分。
 
「え〜、そうなの?!」なんて言うひとの言うことは聞かないし、
 
そういうひとには、近づかない。
 
 
 
だって、わたしはわたしでしかないし、
 
あなたはあなたでしかない。
 
代わりはどこにもいませんから。
 
 
 
どこかの誰かのようになったら好きになるなんて
 
あるわけないのですから。
 
 
わたしは、もう、決めましたよ。
 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 
自分嫌いな切ない女性のはなし。

comuron47.hatenablog.com

 

他人の言うことを聞くのも、ほどほどに。 
 

comuron47.hatenablog.com