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女医とも子の診察室

内科医。日々の気づき、生きること。自分の人生に取り組もう。

こころの治療??

77歳男性が外来にやってきました。 

 

「どうも、気持ちが沈んだ時に、ふらふらするので、

 

治療をしてください」と。 

 

 

 

話をうかがうと、

 

数ヶ月前から、他のクリニックで同じ症状を訴え、

 

抗不安薬」という類いの薬を処方され、

 

自分で「今日は調子わるいな」と思うと

 

それを一粒のみ、いまは、それを半錠飲んでいるけれど、

 

どうも、効きがよくないので、

 

こちらの病院へやってきた、とのことでした。

 

 

 

「良いことや、たのしいことがあった日には

 

そういう気持ちにならなようなんですよね」とご本人。

 

 

 

私はこう、答えました。

 

「それは、医者が治す病気ではありません」と。

 

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その不安はどこからやってくる?

 

 

患者さんが調子が悪くなるのは、

 

「どこか健康ではないのではないか?」

 

「どこか、また、調子が悪いのではないか?」

 

「今日は落ち込むのではないか?」

 

 

そう思うから、

 

気持ちが沈み、ふらふらする気がして、

 

「やっぱり、ほら、健康ではない」

 

自分でそうやってどんどん、

 

ドツボにはまっていっているのです。

 

 

ひとが常に

 

調子がよく、気分もよく、からだのどこも痛くもかゆくもない。

 

そんなこと

 

あるはずがない!!

 

 

 

 

それなのに、結構、ちまたでは、

 

「いつも、絶好調でなければ、おかしい」

 

「いつも、気分がよくないのは、自分がおかしいからだ」

 

「いつも、健康でないと、おかしい」

 

そうやって、おかしくなってるその原因を突き止めようとするのです。

 

 

 

いま、何歳であっても、

 

生まれたからには、

 

自分が日々、老いているのだ、ということから

 

目をそらし、

 

老いということを忌み嫌うからこそ、

 

それが不安と恐怖の大波となって

 

自分に襲いかかってきているのに、

 

気がつかないし、

 

気がつきたくもないのかもしれませんね。

 

 

 

 

「いつもどこも悪くない」

 

「いつでも良い気分でいる」

 

それが当然だと信じている、そのこころが

 

おかしいのです。

 

そして、

 

少し調子が悪くなると、

 

それが自然と元にもどる、

 

谷から上へなだらかに上昇する波をのぼっていくのを待てずに、

 

今すぐ、この場で、誰か、この気持ちをどうにかしてちょうだい!!」

 

今すぐ、この場で、誰か、この身体をどうにかしてちょうだい!!

 

そう、求めることが、

 

おかしいのです。

 

 

 

 

わたしは、

 

おじいさまに、そのことを、

 

丁寧にお話しました。

 

 

 

そして、

 

次のことをしてみるように、

 

おすすめしました。

 

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自分のこころの癖を探してみる。

 

 

自分で気がつかなければならないのは、

 

おかしくなっているこころの原因や、

 

調子が悪いからだの原因ではなく、

 

「調子が悪いことを、” いけないことだ " 」と思っている

 

あなたのその" こころの癖 "です。

 

 

 

誰にでも、調子が悪いときがあり、

 

身体だって、こころだって、

 

浮き沈みがあるのが、自然です。

 

 

それを、いけないこと、忌み嫌うからこそ、

 

下向きの波にのること、

 

下向きの波から谷へ降り立ったところに、とどまること、

 

それに耐えられないのです。

 

 

 

たとえ、77年間生きてきたとしても、

 

根っこのところでそれに気がつかないから、

 

自分が谷底に立つことを怖れ、

 

医者でも誰でも、

 

薬があるのなら、それで今すぐ上に連れていってもらいたいのですね。

 

 

 

それは、怖いことでもあります。

 

なぜなら、良心的ではない医師にかかれば、

 

はんぱなく、薬をたくさん、出し続けてくれるでしょう。

 

「気持ちがよくなるまで」。

 

それは、脳やこころの機能を止めることでもあり、

 

色彩も、匂いも、味も、何もかも、

 

常にぼんやりとさせた、

 

夢の世界にいざなってくれるかもしれません。

 

 

 

ですから、

 

わたしは、

 

「それは、私が治すものではありません」と

 

突き放しました。

 

 

 

そして、

 

「自分が、そうやって何をなぜ、怖れているのか」の正体を、

 

自ら、つかむまで、

 

ノートに書き留めてください。

 

そう、話しました。

 

不安になったとき、何を考えていたのか?

 

それを単語でもいいから、書く。

 

そうしていると、

 

実際に、不安や怖れの種になる部分が

 

ぼんやりと、見えてくるものです。

 

 

 

パソコンをみて、パソコンだと分かるから、

 

悩まないですね。

 

ぼんやりとした輪郭で、それの実体がなんだか分からないから、

 

不安や怖れが出てきて、

 

それをどうにか、してやりたい!と思うのです。

 

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まとめると。

 

他人の不安や怖れを、

 

安易に、わたしがそれを

 

「老いからくるものですね」などと、

 

言えないのです。

 

 

 

ですから、

 

焦らずに、書き留める習慣をつくることで、

 

自分のこころの癖をつかむこと。

 

そして、落ちたときこそ、

 

自分の癖のつかまえ時。

 

それを楽しみにする、くらいの気楽な気持ちで、

 

日々を過ごしてみるように、と、

 

アドバイスし、

 

何も薬は出さずに、お帰りいただきました。

 

 

 

「また、先生を頼るかもしれないけれど」と

 

心細そうにおっしゃるので、

 

「それはいつでも、どうぞ」と言いましたが。

 

 

わたしは、

 

むやみやたらと、薬を出すだけの外来は嫌いです。

 

なるべくだったら、

 

自分で手入れをし、

 

自分で管理をし、

 

自分で治めることができるのが、

 

理想だと思いますし、

 

その手助けをするのが私の医師としての仕事です。

 

 

 

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子育てのドツボにはまってしまった方にも。ぜひ。

 

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