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女医とも子の診察室

内科医。日々の気づき、生きること。自分の人生に取り組もう。

子どもは自分の気持ちがわからない。

夜間診療所にいると


子供も診ることが多いのです。


5日も吐き気と頭痛で


学校に行けない11歳の女の子が


お母さんと来ました。




お話を聴いて、診察しました。


お腹や神経系は


あまり所見が


ありません。


胃のあたりを押すと


不快感があるくらい。




私が気になったのは


11歳のその女の子の


表情です。


何をそんなに


抑え込んでるんだろう?


我慢してるんだろう?


そう感じました。



お母さんいましたが、


問診で聞いてみました。


学校でイヤなことない?


友だちは?意地悪しない?


先生は?


習い事は?





でも、すべて


「全然大丈夫、イヤじゃない」と。




おかしいな。


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お母さん、最初は黙ってましたが、


「この子、五年生まであまり


学校に行けてなくて」と


教えてくれました。




ホラね、やっぱりそうだ。




私は、その子にこう言いました。




あなたみたいな子は


大勢人がいるところで


自分のこと、


考えてる間にどんどん


勝手にいろんなことが決まっちゃうでしょ?


たまに、


みんなに合わせるの疲れること


あるんじゃない?




そしたら、


じーっと私の顔見て、


それから、


頷きました。




「好きなことは、


1つある?」と聞いたら


「音楽が好きです」と


少し目だけ笑いました。


「それなら、音楽だけ


楽しくやればいいから。


いろんなことを、


できなくていいし、


むしろ、


イヤなことはやったらダメだよ。」と。






そしたら、


その子は


じーっとまた、私のこと


見つめて、


なにかが伝わったのでしょう。




初めて、


ホッとした顔しました。





「あなたは、もっと


自分の好きなこと、していいし、


もっと自分のことだけ


大事にしていいんだよ。」と


伝えました。




11歳でも、


本当のことは伝わりました。


ちょっと涙をふいて、


「明日、遠足あるのですが


行っても大丈夫ですか?」と。


行きたければいけばいいよ、


大丈夫だから。





子どもは、


自分がイヤなのかどうか?


自分の気持ちがわからないことが


あるのです。


だって、周りで先生やお母さんたちが


「頑張ってやろうか?」と


促してみたり、


いろいろあるし。




子供なりに、そうなれるように


がんばる。





そういう言葉にならない叫びが


身体に声になって


出るわけです。




だから、


治らない。


いくら病院でそれ、


検査しても


原因なんてわかるはずないです。




その子にもお話しましたが、


「あなたの身体はとても


性能がいいからね。


ちゃんと、イヤなことがあると


そうやって気持ち悪くなったり


頭が痛くなって


教えてくれてるんだよ。


すごい身体なんだから、


そうなったときは


わたし、何がイヤなのかな?って


少し考えてみようね。」




子どもは素直。


心も身体も


ダイレクトに反応するのだと


今日、改めて思いました。




そして、


堅い表情の女の子が


遠足にいきたいと


言ったことが


私はなにか、


とても嬉しかったです。




親は


子どもにどうなって欲しいのか?


学校に行かなくても


死にません。


何ができなくても


その子がその子らしく


生きてたら


まずは、大きな丸。


そうなのではありませんか?




お母さんも


子供も


もっともっと


ホッとして生きたらいい。


そう、思った夜の一幕でした。