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女医とも子の診察室

内科医。日々の気づき、生きること。自分の人生に取り組もう。

医者としての信条。〜死にゆく方へどう接するか〜

自分ごと。

今日は私のことを書きます。

 

今の外来に勤務する前は、実家のクリニックで

 

在宅や、入院でのお看取りをすることが多くありました。 

 

私は、人の死に携わることに誇りを持っていますし 

 

そこにはある強い思いがあるのだな、ということを

 

昨日、改めて確認しました。 

 

 

 

現在勤めている病院では、週一回外来に出ています。 

 

もうじき、そこに勤め始めて一年になります。

 

ほとんどの患者さんは、生活習慣病だったり、

 

あるいは、風邪や胃腸炎などの急性期の患者さん。 

 

以前のように、ガンの終末期の方はあまり関わることは

 

ありませんでした。

 

 

 

ですが、一年勤めていると、そういうご縁も出てくるものです。

 

 

 

とある方は、ある腫瘍ができていることが分かってから

 

積極的な治療はせずに、対処療法をし

 

家で有意義な時間を過ごすことを選ばれていました。

 

こう書くと、とても有意義に過ごせていそうですが、

 

そうではありませんでした。

 

 

 

 

今の医療では、臓器別の専門医に分かれていて

 

それぞれの終末期の患者さんを診ること、

 

特に病院に入院するまで、在宅でどのようにしたら

 

患者さんが楽に過ごせるか?患者さんにとってのかたちは

 

どんなものが、望んでいることなのか?

 

そういうことについて、まるで想像力がない医師が

 

大勢います。

 

 

 

その方は、呼吸が苦しくなっているのに

 

専門医はそれに対して我慢できるところまで、我慢させ

 

本人は「階段も良い運動だから」と2階の寝室まで

 

苦しいのに死に物狂いで行き来していたり。

 

それは、本当にもったいないことにエネルギーを使っていると

 

私なら考えますし、

 

すべての日常生活は楽に、なるべく済むように

 

そして、それ以外の本当にやりたいことに

 

なるべく残された時間やエネルギーを使ってほしい。

 

なるべく気分よく、日々を過ごしてほしい。

 

そう思っています。

 

 

 

私はすぐに、介護保険を利用して、一階で生活がすべてできるように

 

医療用ベッドを配置し、酸素も導入し

 

楽に過ごせるように、その方に出会ったその日のうちに、

 

手配をしました。

 

 

 

 

時間とエネルギーが限られているのです。

 

我慢させたり、頑張らせたりする意義はそこにはありません。

 

本当にやりたいこと、こうしたいこと、食べたいもの、

 

それを満たすことだけに、集中すべき

 

終末期の患者さんにおいては、ご家族にもそのようにお話します。

 

 

 

昨日は、もう一人の患者さんがいらっしゃいました。

 

夏に一度だけ外来でお目にかかった方でした。

 

その方は、その時は、腫瘍がある、と私は知りませんでした。

 

ただ、「ただ事ではない」と一目見て感じたので、

 

すぐに、かかりつけの大学病院へ電話をし

 

その日のうちに、診察検査をお願いしたのでした。

 

 

 

3ヶ月ぶりにいらした男性患者さんと、その奥さんは

 

憔悴しきっていました。

 

ある腫瘍ですでに進行しており、これまで入院して

 

手術の準備をしていた。

 

「今度の手術ができなければ、○○不全で助かることはない」

 

医者に説明をされたとのことでした。

 

 

 

一ヶ月毎にその大学病院でみてもらっていたのに

 

なぜ、進行がんになるまで見つけてもらえなかったのか。

 

そして、いったい、手術ができなかったら、○○不全とは

 

どうしたら、この先いいのか?

 

 

 

私は、この話を患者さんから聞いて、

 

心の底から憤りを感じました。

 

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「もう、先はそんなに長くありません」と

 

「覚悟を決めておいてください」と言うのが自分の仕事だ、と

 

疑わずに、説明をする医師がいます。

 

「先が長くありませんから、覚悟してください」

 

こう、医師に面と向かって言われたら、

 

どうでしょう。

 

それは、「恐れの呪いでしかない」

 

私は思っています。

 

 

 

インフォームドコンセント(説明と同意)という言葉が

 

あちこちで聞かれ

 

悪性腫瘍においても、患者さん本人にすべてを告知する。

 

その上で加療をすすめたり、決定していく。

 

それは、患者さんのためであり、医師のためではありません。

 

でも、今、多くの病院では「医師や病院の身を守るために

 

とても乱暴なインフォームドコンセントがまかり通っている」

 

私は、とてもひどいことだ、と憤りを感じることが

 

これまでにもありました。

 

 

 

「大学病院で、もう、ここではすることはないから

 

町医者へ行くようにと、見捨てられた」

 

そう言って、クリニックにやってきた方も何人もいました。

 

 

 

確かに、交通事故などの外傷や、産科での急病、

 

インフォームドコンセントでしっかりと伝えるべき場面があるのは

 

確かです。

 

医療訴訟が増えていることも確かなので、医師も病院も

 

間違えがないように、ありのままを説明する

 

これは、ある部分では間違いではない、と思っています。

 

 

 

 

でも、しかし、末期の腫瘍の方に

 

「あなたは、もう、助かりませんから、覚悟してください」

 

これは、いったい、どういうことなのでしょう?と

 

思うのです。

 

 

 

人は最後は必ずみな、亡くなります。

 

対岸の火事」だと思っているから平気で

 

「あなた、覚悟しておきなさい」と言い放てるのではないかと。

 

私は、「人はみな平等に最後は亡くなる」という部分で

 

医者と患者であっても、私にとっては同胞だという思いが

 

強いです。

 

そのような同胞に向かって「あなた、無理だから」とは

 

口が裂けても言いません。

 

 

 

それは、患者さんが、病気と共に過ごすうちに

 

自分である時期に自覚されるでしょう。自然に。

 

それまでのあいだ、医療者ができることは、なんだと思いますか?

 

同胞に絶望を与えることが仕事なのなら、

 

それが「きちんとした、完璧な医療」なのなら、

 

私は、医者を辞めます。

 

 

 

人は生きている限り、その人として生きることができる

 

思っています。

 

死に様が生き様。

 

これを、まざまざと、いろんな方にみせていただきました。

 

最後まで、人は人です。

 

 

なので、どんな状況にあっても

 

患者さんを不安に貶めたり、恐怖のどん底へ落とすような

 

そういうセリフは言いません。

 

それは、別に、ごまかしたり、お茶を濁すこととも

 

違います。

 

死はたしかに、そこにあるし

 

恐らく、亡くなる理由だって医者なら分かっています。

 

ですが、それをありありと、お伝えする必要があるとしたら

 

私はそれは、医者が自分がしてきたことをある部分で正当化したいから

 

ではないか?と、自分が大学病医で激務していた頃を思い出すと

 

想像します。

 

 

 

 

「これをやれば、助けられる」と思って、身を削ってやっても

 

助からないことがあるし、助からないということは

 

自分が間違っていたのか?人の命は救えないのか?と。

 

勉強したり、研究してきた通りにやっても

 

人の命は思い通りにはなりません。

 

そんな時、医者本人としての絶望や、葛藤、

 

そして、自分が患者さんにしてきた治療は正しかった、と

 

どこかで正当化せずにいられないほど、人の命は重いです。

 

私も、その医者の気持ちもものすごくよく、わかります。

 

 

 

でも、患者さんに自分を正当化したいから、といって

 

「もう、ここまでで、これ以上無理です」

 

これは、言ってはいけないことば、

 

患者さんには不要なことばなのではないかな?と

 

思うようになりました。

 

それは医者が自分で背負う部分である、と。

 

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最後まで、自分の同胞にはその人らしく生きてほしい。

 

それが私の思いです。

 

それならば、もう、これ以上はつらいな、無理そうだ。

 

そう思っても、私は絶対に「諦めましょう」とか

 

「家族も覚悟をきめて」とは言いたくありません。

 

美化ではありません。

 

そうではなく、今日できることは何か?

 

今、やりたいことはなに?

 

どう過ごしたら楽?

 

痛みはどうか?

 

本当にささやかなことに目を向けて一つ一つ

 

そこに取り組むように、目標を決めてあげること。

 

やれることは、いくらだってあるでしょう。

 

 

 

 

それはいろんな代替療法をバンバンやりなさい、ではありません。

 

もちろん、試してみたいことはやるのはいいです。

 

でも、私が思うのは、そうではなく、

 

目の前のこと、一つ一つ、ゆっくりと味わうこと。

 

日差しを感じたり、音を聞いたり

 

風を感じる、人の気配を、声を感じる。

 

そういうこと、を味わうこと。

 

 

 

人の人生で、ドラマティックなこと、は

 

滅多にないのです。

 

悪性腫瘍になったから、といって

 

ドラマティックな展開が待っているか?というと

 

そうではなく、むしろ

 

日常の暮らしの中のささやかなことに輝きを見つけるでしょう。

 

「そういうことを、感じてみなさい」

 

私は、そういうことを患者さんに、死が迫っているひとにも

 

言える医者でいたい、と思っています。

 

 

 

これから、こうなって、ああなって

 

恐らく○○不全で亡くなります。

 

そんなことは、本人に言う必要ない。

 

恐れの呪いにしか、なりません。

 

 

これは、理想論でもなんでもなく、

 

実際にわたしは、そうしてきましたし、

 

昨日のお二方の男性にも、

 

「これで生きている姿をみるのは最後かもしれない」

 

そういう思いを抱えながらも、

 

「一つ一つ、大事に、整えていきましょうね」

 

そう、強く願いを込めて声をかけ、診察室から送り出しました。

 

 

 

そういう一つの言葉で、人は希望を持つことができる、と

 

私は思っているし、そうしていきたい、と思うし

 

私は、どんな真っ暗な宵であってもそこに一つ、光を与える

 

そんなことを、していくのだ、と

 

心に改めて決めた昨日の外来でした。

 

 

 

本当に、憤りを感じるような、馬鹿なことを言う医者がいる。

 

対岸の火事なんかじゃなく、自分も含めて

 

みな、最後はなんらかで亡くなるんだぞ!

 

芸能人のそういう記事にコメントをしている人にも

 

同じことが言える。

 

対岸の火事じゃない。

 

同じ、人であり、同胞なんだから、その人がどう過ごしたいか?を

 

考えたら、そっとして、その人らしく自然体でいられるようにしてあげるのが

 

今は元気な人、がしてやれることでしょう。

 

 

 

 

そして、私がこのような情報発信を続けている理由が

 

ここにありあります。

 

自分は病気じゃない、と思っている時期から

 

お酒の勢いで酔っ払ってしか、本音を言えない、暴言を吐く、

 

友達とのグチを連ねているだけで、何も行動しない

 

自分は不遇だ、と不平不満を言って人のせいにする。

 

 

 

自分の目の前の現実は、自分でつくったものであるし、

 

それがイヤなのなら、いつからでも生きていれば

 

自分自身で変えていくことはできるし、

 

でも、人生はそんなにドラマティックに展開なんてしない。

 

ささやかなことに、輝きを見つけてそれに喜びを感じられている人は

 

ここからすぐ、満足できる。

 

 

 

なのに、そうしない。

 

病気になって、しかも治らないかもしれない、となってから

 

「あーあ、わたしの人生って」となるのでは

 

あまりにもったいない。

 

だからこそ、私はいつも同じようなことを発信して

 

伝えているのです。

 

 

 

生きている時間は有限。

 

どんな風にそれを組み立てるのか?は自分次第。

 

生きていれば最後がやってくるのは、みな平等。

 

人は大きくみたら、みな、同胞です。

 

 

 

今日は改めて、私の医者としての役目は何なのか?を

 

自覚させられるエピソードがありましたので、

 

それをまとめ、として書きました。

 

長い文章を最後まで読んでくださりありがとうございました。

 

 

 

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